• OMOYA Inc.代表取締役社長 猪熊真理子

“らしさ”が活き活きと発露する、やわらかで透明な社会を目指して。


あけましておめでとうございます。

旧年中はお世話になり、ありがとうございました。

平成最後の初春でもあり、皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

年頭所感を記しておこうと決めて、最近ますます難しくなっている「自己紹介」も兼ねて今のお仕事における近況について皆様に少しでもお伝えできればと思っています。

「最近、何をやっているの?」と聞かれると非常に困ってしまうのですが、現在は5社の法人の経営に関わっています。

なぜ5つの会社の経営に携わっているのか、様々なプロジェクトを通してどんなことを目指しているのか、などは昨年中に取材頂いた「Business Network Lab」の中でもお話をさせて頂きました。昨年の振り返りも含めて、一つひとつ近況をお伝えできればと思っています。

日本全国のさまざまな生きづらさを感じている人たちに寄り添い、

それぞれのらしさを発露できるような柔らかな社会を創りたい。

(株式会社OMOYAの事業)

リクルートを独立して以来経営している、メインの母体となる株式会社OMOYAは、二つの経営理念を持つ会社です。

それぞれが多様な想いや価値観を持ちながら、 自らの原点を理解し、想いに対して誠実に歩める世の中へ。

女性の力を日本の中心に。 女性たちの可能性を最大化できる社会へ。

女性支援の活動も振り返れば約14年となり、OMOYA Inc.の事業としても、企業の中の女性社員の活躍推進に向けた女性社員向けの研修・講演や、管理職向け研修などを実施しています。

また女性の創業支援・起業支援では、主に経済産業省などの省庁や地方自治体からご依頼を頂いて、起業したい女性の育成やサポートのための講演などを実施しています。

2018年は群馬県立太田女子高校や、太田市、桐生市、みどり市、伊勢崎市の4つの市の市役所職員の労働組合、経済産業省 近畿経済産業局のLED関西、群馬県太田市主催のおおたなでしこ未来塾、大分県女性起業家創出促進事業、埼玉県東松山市主催の女性創業セミナー、日経ビジネススクールなど、様々な場所でお話をさせて頂きました。

創業支援や女性活躍推進などの講演で、日本全国にお伺いさせて頂くのですが、お越し頂いた皆さんの悩みや葛藤に耳を傾けていると、いくつかの共通の課題、共通した生きづらさに直面されているのだな、と感じます。

それは例えば、

自分自身と向き合うことへの恐れや、向き合い方が分からないことで「自分らしさ」が見つからないという葛藤だったり、

周りの目が気になり過ぎてしまったり、出る釘が打たれてしまう・同調圧力の強い環境で、自分らしさを発露することに恐れがあったり、

自分だけが周りや地域や社会から分断されてしまっているような孤独感だったり、

誰かの役に立たなければという焦燥感や焦り、根本的な自信のなさだったり、

家族や人間関係での難しさ、自分自身も分からないし他人も分からないなかでの、この世界のすべてが怖くなってしまうような怯えだったり。

そういった生きづらさや葛藤に直面する度に、

一人ひとりが活き活きと“らしさ”を発露するために、どんな環境や仕組みや、柔軟さや優しさがあったらいいんだろう?と真剣に考えています。

VUCAの時代には分かりやすい正解もなく、時代がものすごいスピードで変化していくため、皆が不安定で不安になりやすくなる。

そんな時にしなやかな軸を持って自分の足で立っていられる人たちは、自分自身の光と影に向き合い、自分の軸を知り、自覚した上で、周りで起こる変化や環境の不確実性を内包できる柔らかさを持っているのだと思います。

不安を感じている人の力になりたいと思うことや、生きづらさを感じている人の少しでも役に立ちたいと思うことは、とても自然なことです。

人間は自分一人では自分自身を知ることも、自分の知っている世界以外の世界を見ることも、視点や視野を変えることもできないのだから。

そこには必ず、鏡のように自らの姿を映し出してくれる他者の存在、他者とのつながりや関係性が必要です。またそうした人と人との心の繋がりや成長・学びの場を仕組みとして創り出したいと思っています。

そうしたフィジビリティ的な取り組みの一つが、株式会社OMOYAと株式会社Kolaboの共同事業である「女子未来大学」です。

女子未来大学も4周年を迎え、累計参加者数も1500名を越えました。女性たちの心の居場所となるような「Third Community」としての“学びの場×コミュニティ”の在り方を今でも模索しています。1月には、メディアアーティストのEricを教授としてお迎えし、「アート×コミュニケーション」のワークショップも開催します。

また、オフラインで続けてきた女子未来大学から派生して、オンラインベースに物理的距離の離れている人も含めて、女性たちのしなやかな自信の形成に貢献したいと始めたオンラインサロン『自信を持てる私になるためのコミュニティサロン「私らしさのつくりかた」』も丸一年になりました。

オンラインならではのコミュニケーションの難しさも感じつつ、それでもサロンメンバーの皆さんのこの一年の変化や成長に、より身近で寄り添うことができたことを嬉しく思っています。オンラインサロンはいつでも参加して頂けるのでご興味のある人はぜひ。

言語⇄非言語の様々なアプローチで、人のらしさの発露とコミュニケーションを最大化する。

また、2018年の一番大きな変化は「女性」だけでなく、性別を問わずいろんな人の“らしさの発露”に関わる仕事が増えたり、それをいろんな方法で表現するような場やプログラムを創り始めたことでしょうか。

例えば、最近私が興味のあることのうちの一つに「言語⇄非言語の可能性」というものがあります。

今まで、言語という非常に便利なツールの中で表現しきれていない、表出できていない非言語の可能性を探るということと、言語的に思考する定常的なアプローチの中に非定常的な言語的アプローチを用いるという実験です。

その一つが、埼玉大学大学院 准教授の宇田川先生と、Transformの稲墻さんと、一社at Will Workの社会実装研究として共同開発した、「組織変革のための『ナラティヴ・アプローチ』ワークショップ」だったり、

また別に倉敷ロイヤルアートホテルで実施した、アートを用いたらしさの発露からコンセプトメイキングを実施する「Life is ART!!」の研修を実施したりしました。

こういったプログラム開発や人材開発事業では、性別に関わらず「らしさが発露できていない人の“らしさ”を見える化する、外在化することで、すでにある資源に気づき、そこからイノベーションを起こす」「個人のクリエイティビティを発揮できる柔軟でしなやかな組織をつくる」ことを実施してきました。

このテーマはとても面白いテーマで、2019年も引続き挑戦しながら社会実装研究していきたいと思っています。

株式会社OMOYAでは上記のような女性支援事業や人材開発事業の他にも、大手企業やスタートアップ起業の事業開発や新規事業立ち上げにコンサルティングとして関わらせて頂いたり、マーケティング・プロモーション企画のプロジェクトをお手伝いさせて頂いたりしています。

2019年は大手企業のイントレプレナー育成(社内の事業開発人材の育成)のプロジェクトなども進んでおり、社会の中で大きな影響を及ぼすことができる人たちの変革や成長に寄り添うことで、それぞれの“らしさ”が社会に価値として循環し、社会を良くしていくことに貢献していければと思っています。

文化を学ぶとは、心の豊かさを育むこと

(一社)全日本伝統文化後継者育成支援協会

(一社)全日本伝統文化後継者育成支援協会の役員としての活動も、リクルート時代から副業として参画しており、6年目になります。

伝統文化の真価を次の世代に受け継ぐために、また、文化の中にある本当の心の豊かさや思いやりや美意識を持って、真の国際人として世界で活躍できる人を一人でも多く増やすための、文化教育活動や、文化支援の活動、環境創造などを行っています。

(一社)全日本伝統文化後継者育成支援協会でも、新しいプロジェクトとしてGIFT for Childrenという活動を始めました。

11月20日の世界子どもの日にこども達へ“本物に触れる体験”を贈り物として贈る心豊かな未来を育むチャリティプロジェクトです。また、このプロジェクトの輪が日本全国に広がっていくことで、子どもも大人も自国文化を学び、家庭と社会がもっともっと豊かになっていくそんなムーブメントを起こすことを目指しています。

私自身が(一社)全日本伝統文化後継者育成支援協会に参画した理由としても、「子どもたちに愛された原体験を残したい」という想いがありました。

伝統文化を通して、その中に込められた家族や周りの人の「幸せに健康に育って欲しい」という願いや、「面倒なことを当たり前のようにやってくれること」という思いやりや、職人さんや伝統を守り継いで来た人の人生をかけたような想い、そしてモノや出来事の背景にある人の想いをきちんと感じ取れるような感性を育むことの力になりたいと思っていました。

GIFT for Childrenは、子ども達に文化の原体験を通して心の豊かさを育む活動なので、皆さんにまた活動の内容を共有させて頂きたいと思います。

働き方を選択できる社会へ

(一社)at Will Work

従来は「当たり前」であった既成概念に歪みがでて、新しい「未来の当たり前」を創り出さなければいけない、時代の変革における大きなテーマの一つが「働き方」です。

私が理事を務める(一社)at Will Workでは、「働き方を選択できる社会へ」ということを理念に毎年、働き方変革の取り組みを集める『Work Story Award』や『働き方を考えるカンファレンス』などを開催しています。

今年も2月20日に虎ノ門ヒルズで働き方を考えるカンファレンス2019」を開催します。

今年のテーマは、「働くをひも解く」これまでの100年、これからの100年を再考する

今まで当たり前だと思っていた働き方の、どんな部分は本質的に変わらないのか、もしくはどんな部分は時代に合わせて変化していく必要があるのか。

時代の変化のともに今までどんな変化があったのか、もしくは変化がないことでどんな問題が起きているのか。

働き方を変える必要があると感じていても、どこをどう変えればいいのか分からない、もしくは変えたくても変えられない、そこにどんな問題があるのか。

今年も豪華で面白い素晴らしい登壇者の皆さんをお招きして、参加者の皆さんと働き方改革の本音を深堀りしながら、働き方をひも解きたいと思っています。

カンファレンスのチケットは絶賛販売中ですので、ご興味ある方はぜひお越し頂ければと思います。

ひとりひとりが活躍し、仕事を歓びに変えられる人を一人でも多く増やす

株式会社ストリートスマート

私が取締役を務めている約40名規模のスタートアップがあります。クラウドサービスを活用したワークスタイル変革やクラウドベンダー様のサポートを行っている株式会社ストリートスマートです。

G suiteなどを始めとするクラウドサービスを導入した企業様向けのチェンジマネジメントのコンサルティングや、クラウドサービス活用のための研修、開発、ヘルプデスクなどのサポートから、マニュアル・動画などのコンテンツ制作などを実施しています。

最近では、学校教育の現場にクラウドサービスを導入することで学校の先生たちの業務効率化と、子どもたち向けにもクラウドサービスを利用した授業などを展開できる、Education事業なども始まり、こちらでも事業を通して、既存の働き方から新しい働き方へパラダイムシフトしていく時の企業や教育機関などの課題に寄り添い解決していくための支援を展開しています。

ストリートスマートは、まず自社から新しい働き方に挑戦していこうということで、テレワークが日常的に導入していたり、拠点も東京・大阪・長野・バンコクと分かれている中でのコラボレーションを実現していたり、人事評価や社内制度に個人の成長を支援する制度を実施したりしています。

スタートアップらしい規模が急拡大していく中で生まれる組織内での葛藤や戸惑いを感じながらでも、一人ひとりが働きがいを感じながら働き・成長できることを、また組織としてお客様や社会に貢献できる価値を最大化していけるように挑戦している個性溢れる仲間がいるので経営ボードに関われたことをとても嬉しく思っています。

生活者の多様化や細分化に対応した次世代型マイクロマーケティングカンパニー

トレンダーズ株式会社

2018年6月の株主総会にて、東証マザーズに上場しているトレンダーズ株式会社の社外取締役として就任させて頂きました。

トレンダーズ株式会社は、マーケティング業界にイノベーションを起こし続ける次世代型マイクロマーケティングカンパニーとして、生活者の価値観・ライフスタイルの多様化や細分化に対応したマーケティング・PRソリューションを提供する会社です。 戦略的なマーケティングノウハウと、インフルエンサー&メディアの独自ネットワーク、デジタル特化型PRや広告などを強みとして、クライアント企業様のプロモーション・PR活動の支援を行っています。 生活者の生活パターンの多様化や、趣味趣向・価値観が細分化しロングテール化している中で、従来型のマスマーケティングだけでは、生活者の心を動かすことが難しくなってきています。 加速する多様化や細分化に対応できなければ、「人の心を動かせない。ものが売れない」というところに、デジタルやテクノロジーの強みを活かしながら、多様な生活者のインサイトを理解し、より戦略的に「一人ひとりの生活者に最適に届けるためのマーケティングソリューションを提供していく」というのがトレンダーズ株式会社の特徴でもあります。

お客様先の企業のコンサルティングや顧問とはまた違った形で、「社外取締役」として経営に参画させて頂くことで、素晴らしい経営陣の皆様から日々勉強させて頂きつつ、トレンダーズ株式会社の持続的な成長と企業価値の向上に貢献していきたいと思っています。

美容特化型動画メディアMimiTVや、ギフトサービスのAnnyなど皆様の生活の中でも使って頂けるサービスが多くあるので、ぜひ一度ユーザーとして体験頂けたら嬉しいです。(ぜひ感想を教えて下さい!)

“らしさ”が活き活きと発露する、やわらかで透明な社会を目指して。

つらつらと、最近のお仕事の近況をお話させて頂いて来たのですが、こんな様々な企業での経営やプロジェクトを通して私たちが何を目指しているのか、ということを最後に。

前述した「Business Network Lab」の取材の中でこんなお話をさせて頂きました。

──すべてのプロジェクトに共通したテーマはありますか?

関わっているプロジェクトのジャンルやフィールドはバラバラですが、やりたいことはすべて共通しています。それは、「本当は可能性があるのに水面下に埋もれてしまっているものを引っ張り出して、社会に伝えていきたい」ということ。

例えば、女性たちの可能性を信じて彼女たちの力を引き出すこと、日本の伝統文化の価値をいまの時代に合わせて再提案すること、時代が変わっていくなかで古い働き方にとらわれなくてもいいと伝えていくこと。それらはみんな、同調圧力や昔のルールに縛られて可能性を発揮できない人や組織の力を引き出し、社会に還元することでトランジション=変革を生み出すための活動です。

最近は自分の肩書きとして「トランスフォーム・カタリスト」と言うことがあります。つまり、時代や人が変容していく時の触媒でありたいということ。私自身が変革者になるというよりも、人と人、人と社会の間に立つことで変革のサポートをすることに私はやりがいを感じるし、関係性の間にいることが自分らしいと思っていますね。

最近では私自身の肩書きをTransform Catalystと名乗ることがあります。

これはここ1年くらい、とても仲良くさせて頂いているお兄様二人、阿座上陽平さんと稲墻 聡一郎さんと、

「私たちの仕事や、やりたいと思っていることって共通していることあるよね?それなんて言ったらいいんだろうね。」

と話していて、何度か話し合っているうちに、新しい肩書きをつくるのがいいのでは?という話になり、私たち独自で創った肩書きです。

旧態以前の価値観や社会からのパラダイムシフト。

人々の意識や、組織や社会がトランスフォーム(変革)していくときの触媒。

つまり、新しい時代の「Catalyst(触媒)」でありたいという想いを込めました。

時代の転換期には、様々なフィールドで活躍する変革者が必要です。

ですが、私たち自身が「変革者」になるのではなく、変革が進む時に必ず必要な「変革の触媒」になる。

それは、例えば今までは異分野や異業界として分断されていた、異なるもの同士を繋ぎ合わせたり循環させたりして、新しいイノベーションを起こすことだったり、

今まで水面下に埋もれてしまっていたものの、それを押し込めていた制限を取っ払ってしまって、その可能性を放出する・最大化をするための潤滑油となったり。

明確に区切られていた境界線を曖昧ににして、流動化(もしくは循環)させることで新しい化学反応やイノベーションを起こすこと。

必要なもの・コト・人同士を繫ぎ合わせて、新しい文脈を創っていくこと。

分かりづらいものを分かりやすくしていくこと。伝わりづらいものを伝わりやすくしていくこと。

など、Transform Catalystとしての組織や社会の中での役割を模索しながら楽しんでいます。

私自身が目指す理想の未来は、“らしさ”が活き活きと発露する、やわらかで透明な社会です。

“らしさ”は個人的な「自分らしさ」だけでなく、

例えば「男性らしさ」や「女性らしさ」、

その「会社らしさ」や「日本らしさ」など多様なものを含みます。

「らしさ」は、その人・組織・社会が持っている、元々の素質のようなもの。言い換えれば可能性の固まりのようなもの。

その素質をどれくらい発揮できるのか?それを皆にとって良い方向に発揮できるのか?どのような方法でらしさの発露を起こせるのか?というのが今一番の関心ごとです。

また、「やわらか」というのは、今まで以上に多様な「らしさ」が発露した時に、そのすべてを制限なく内包できる、お互いに活かし合える、多様であることが価値になるような、思いやりに溢れた包容力のある環境を創っていきたいという想い。

「透明な」というのは、私が尊敬している女性の一人、佐藤初女さんが「透明であること」の意味合いについてこんな言葉を残されています。

“透明というのは、まず自分というものから抜け出して、そのままでいること。”

たくさんの人が色んな想いや自我を持って生きているこの社会で、透明でいることのいかに難しいことか。ですが、真実に生きていれば透明になるし、透明でなければ真実に生きにくいのだと思います。

自分らしく生きている人たちは皆、自分自身に正直に、真実に生きているように思います。必要以上に背伸びもしないし、何よりも自分の生かし方を分かって実現できている。

一人ひとりが、すべての組織や社会がらしさを発露したその先に、それを受け入れる柔らかさと、社会としての誠実さ、すべてのものが生かし合える社会にしていきたいというのが、今の私の理想です。

2018年はスーパーデトックスというのか、光だけでなく影(=今まで向き合ってこなかったこと)にも向き合わなければいけないような一年でした。本当の自分自身と直面するような。

2019年は、もう一度「今」の地点からまっさらな気持ちで理想を描いて、その理想を一人だけではなく皆さんと一緒に実現していきたいと思っています。

今年も皆様には大変お世話になると思いますが、どうぞよろしくお願いします。

猪熊真理子

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