• OMOYA Inc.代表取締役社長 猪熊真理子

【女性の生き方について思うことvol.3】日本は本当に少子化対策や女性活躍を推進する気があるの?どうして待機児童が減らないの?という疑問。


少子化が問題といいながら、 政府が本気で少子化対策や待機児童に対する対策、 子どもを育てながら働く男女の支援をしてないんじゃないか!と思われている方も多いと思いのではないでしょうか? その声を代弁するように、今ネットで話題になっているこのブログ。 ◎保育園落ちた日本死ね!!! http://anond.hatelabo.jp/20160215171759 タイトルがあまりにも辛辣ですが、、そしてブログの中で使われている言葉を見ていると、 荒々しい怒りの感情をぶつけずにはいられないくらいの思いがあったのだと思います。 「働きたいのに働けない」小さい子どもを抱えている女性の中には、 このブログに共感するような憤りを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

”女性活躍”という言葉を、この数年で本当に良く耳にするようになりました。 (私が10年近く女性活躍や女性支援に関わっているというのもありますが、というよりももっと一般的に社会の色んなところからこの言葉を聞くようになってきたし、社会の関心が向き始めているというのが今の実感です。) 「女性が輝ける社会へ」。 そう言葉では聞きますが、女性が輝くための一つの方向性である、 「女性も働く機会を奪われたり、途中でキャリアを断念することなく、働きつづけられる社会」や、「女性たちの可能性を最大化できる社会」が叶っていくためには、 「意識」「実力」「環境」という3本柱での向上が必要だと、OMOYA Inc.ではずっと提唱し続けています。

この中の「環境」における大切な要素の一つが「子育ての環境」です。 日本の人口が減っていくのは留めることができないとしても、 少しでも少子化を食い止めたくて、しかも女性にも働いて活躍してほしいと、 国が本当に考えているのなら、どうして子育て環境を早急に整えて、待機児童問題が解消する方向に向かわないのでしょうか。 今回のブログが火種になって、日本の今の子育て環境について議論をし、認識していくことはとても大切なことだと思います。 まず、最初にこの疑問を理解するためにとても理解に役立ったのは、認定NPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹さんのブログでした。 ◎「保育園落ちた日本死ね」と叫んだ人に伝えたい、保育園が増えない理由 http://www.komazaki.net/activity/2016/02/004774.html 駒崎さんはブログの中で、 【もっと保育所つくって、待機児童減らせば良いじゃん?】 という素朴な疑問について、 機動的に保育所をつくれない、3つの壁として、下記を挙げて説明されています。

①予算の壁 ②自治体の壁 ③物件の壁 詳細は、駒崎さんのブログから読んで頂くのが良いかと思いますが、 簡単に要約すると、 ①児童福祉法によって基準が定められている認可保育園を増やすには、基準を満たす保育士の数が必要なのですが、今は保育士の処遇があまりよくないため、圧倒的な保育士不足であること。 ②そして、自治体が計画して保育園の数なども計画を立てるのですが、自治体は保育園を増やす前向きな動機がないし、保育園を増やしたところで担当者も評価されない仕組みになっていること。 ③そして、認可保育園の条件を満たすような物件を見つけることが難しいこと の3つを挙げられています。 そのために駒崎さんは、自治体に向けて声を上げたり、世論を高めましょう!ということを呼びかけられています。 この駒崎さんのブログを、私自身のFacebookにもシェアしたところ、たくさんの方がシェアして下さいました。 それだけ関心が強く、皆さんももの申したい問題である、ということなのだと思います。 一方でこの「どうして子育て環境が改善しないの?待機児童が減らないの?」という疑問に対して、別の視点から、解決策を提示されている方がいます。 今回この議論の火種になったブログは、東京都民の方が書いた可能性が高いという報道がありますが、待機児童が圧倒的に多いのは東京都。 東京都議会議員/北区選出のおときた駿さんは下記のようなブログを書かれています。 ◎保育園落ちた日本死ね!!!」って言われたけど、むしろ東京都は保育園をつくるべきではない理由 http://blogos.com/outline/161054/ こちらもなかなか辛辣なブログタイトルですが、読み進めると駒崎さんとはまた違った視点で、この待機児童を解決する案を提言されています。 こちらも詳細はおときたさんのブログを読んで頂くのが一番かと思いますが、こちらも簡単に要約すると、 子育て環境が足りていないことを、「保育園を作ることで解消しよう!」という発想をやめて、 保育園以外のサービス、例えば、小規模保育や派遣型保育・ベビーシッターの活用に舵を切る必要があるということ。 その理由としては2つで、 ①認可保育園を増やし続けても、今まで潜在顧客(認可保育園を考えていなかった層)も顕在化(認可保育園に入れたい!になって)してしまい、結果的には待機児童が減らないこと。 ②保育園というのはハコモノ・施設のため、土地がない・高い東京都で保育所を増設するのには、非常に高いコストがかかってしまうということ。 「ちゃんとした施設(ハードも人も)を準備して、そこで子どもを預かりましょう」という発想が構造的(需要と供給のバランス)に破綻しているのであれば、 「保育園」という形にこだわる必要なく、 子どもと子どもを預ける働く親にとって、最適なサービスの多様化が促進されるのは、未来の在り方としても自然なように思います。

おときたさんもおっしゃっている通り、海外ではベビシッター保育が中心の国(例えばフランス)などもたくさんあり、 ベビーシッターやナニーが子どもを預かって、母親が働いたり、自分の時間を持つこともできるというのは、よく見る光景です。 私が先日訪れたバンコクもそうでしたが、向こうではそういったベビーシッターなどにかかるコストが非常に安価であることも、こういったサービスを女性たちが利用しやすい背景の一つにあると思います。 日本でもベビーシッターなどのサービスがここ数年増えてきているように思うのですが、 多くのサービスがある程度経済的に豊かな層を顧客ターゲットとして展開していることが多いため、 ベビーシッター+付加価値としての子どもの習い事(英語や楽器、スポーツなど)がセットになっているサービスが多く、結果的にシッターさんにはらう費用が高額設定になっているような感じも受けます。 子どもを預けるだけでなく、子どもの教育にとっても良いことをしてあげたいという親御さんの気持ちもよく分かりますが、 日本においての大多数のニーズとしては、 安心して子どもを預けられるシッターサービスが、女性の収入や世帯収入などを鑑みても、リーズナブルに受けられることの方がニーズは大きいのではないでしょうか。 海外のシッターサービスなどだと、子どもを見るだけでなく家事代行なども普通にしてくれるようですが、 日本のシッターサービスは、家事はオプションとなって、別料金がかかるということがまだまだ多いそうです。 安心して子どもを預けられて、家事も多少なりとも代行してくれて、 日本の今の平均収入から鑑みてもリーズナブルなシッターサービス、 もしくはそれくらいの価格でシッターサービスが受けられるように国からの補助が出ること。 というのが、今の日本の子育て家庭に必要なサービスのように思います。 あと、シッターサービス以外で言うと、小規模保育の一貫になるかと思いますが、 会社の中に「事業内保育」ができたり、1社で作るのは難しくても、一つの小規模保育施設をエリアが近い複数社でシェアしながら、子どもと働く親が近いところで働けるという取り組みも、多様化の一つとして増えていくといいなと思っています。 (事業内保育は嬉しいけれど、通勤ラッシュに子どもを連れて通勤できないという声にも、フレックス制の導入や通勤の方法を工夫することで解消できるといいですね。) OMOYA Inc.で取り組んでいた「赤ちゃんと一緒に働く」という取り組みも、弊社以外にもソウ・エクスペリエンスが“子連れ出勤100社プロジェクト”を立ち上げるなど、様々な企業で取り組みが進んでいます。 実際は、職種や業種、組織風土、仕事内容や環境などによって「子連れ出勤」の工夫ができる企業とできない企業(もしくは組織)が絶対あると思うのですが、本当は可能な環境にはどんどんこういった取り組みが進んだらいいなと思っています。 おときたさんがブログの中で、 ”保育・子育て関連のみに使えるバウチャー(クーポン券みたいなもの)を子育て世帯に一律で給付すれば良い” とおっしゃっていて、それもごもっともだと思うのですが、 今の状況でこういったバウチャーが発行されたとすると、 認可した保育園は使えるけれど、民間の多様化した子育てサービス(シッターや小規模保育・派遣型保育など)はすべてで使えるとはできず、一部の国の認可がおりている施設に限る、 みたいな制限がついて、結局使えない、、、ということになりそうですね。 そうならないためには、保育園もある一定数増やしながら、保育園以外の子育てサービスが多様化し、もっと数が増えて、きちんと整備環境も整っていくという方向性に向かっていく必要があるかもしれません。

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