• OMOYA Inc.代表取締役社長 猪熊真理子

【女性の生き方について思うことvol.1】女性が活躍するための社会的な課題とは?


日本における本当の女性活躍はどこに向かっていくのか? 「女性の活躍」「女性が輝く社会へ」という言葉を本当によく聞くようになった昨今。 実は男女雇用機会均等法が施行されてから、今年2016年の4月で丸30年。 30年前に総合職として大手企業に採用された女性のうち、約8割が退職していたということが分かったそうです。 つまり、日本の典型的な仕事中心的な価値観や、長時間労働などの慣習はなかなか変わらず、育児と仕事の両立の制度や環境整備・支援なども遅れたため、 総合職として30年前に採用された女性たちは、本当に活躍が難しい社会を渡り歩いてこられたり、または途中で働く機会、活躍する機会を失ってきたのだと思います。 アベノミクスの成長戦略として、2013年に女性の活躍推進を打ち出して3年。 現在の第3次安倍改造内閣は目玉政策として「1億総活躍社会」を掲げていますが、女性が活躍していくために、何が社会的な課題(Social Issue)になっているのでしょうか。 女性の活躍には世界共通の社会課題がある。 先日、女子未来大学×PInterestのコラボ授業『2016年なりたい自分を叶えるMy Vision Boardを創ろう!Women Vision Session!」を開催したのですが、この授業にアルゼンチンで女性のエンパワーメントのプロジェクトを行っている、Solさんという女性が視察に来て下さいました。

つたない英語ながら、Solさんとお話しながら気づいたことは、国や文化・歴史の違いはあれど、女性が活躍するための社会的な課題はグローバルに共通しているのではないか、という実感でした。 日本の女性支援、女性活躍推進ばかりに目を向けてきた私にとって、 シェリル・サンドバーグさんの「LEAN IN」を読んだ時にも、『日本だけでなく、女性活躍の世界共通の時代の変化、課題があるんだ!」と驚いたものですが、 Solさんとアルゼンチンと日本の女性を取り巻く社会課題について話していると、またリアルな実感としての驚きがありました。 この驚きが新鮮なうちに、グローバルに共通する女性活躍における課題についてブログに書いておきたいと思います。 グローバルに共通する女性の活躍における社会課題 【女性活躍における社会課題①】 新ジェンダー観の必要性 今とこれから必要とされる新しい「女らしさ」「男らしさ」とは? 一つ目は「女らしさ」「男らしさ」の旧来型の呪縛からなかなか解放されないことや、新しい価値観との混乱が起きていること。 先人のフェミニストたちや、働く先輩女性たちが「男性に負けない」という強い意識を持って未来を切り開き、その後どのような人生を歩んできたか、その戦いをうっすらと覗き見ている、今の20〜40代くらいの女性の多くは、仕事や働くことに対して前向きさを持ちつつも、「オス化した女性にはなりたくない」という意識を持っているように思います。 先人たちが切り開いて下さったことによって、自由を手にしつつある今の女性たちは、戦うことよりもバランス感覚を大切にしようとしている。 とは言いつつも、旧来型の"女らしさ"の典型であるような、「おしとやか」で「でしゃばり過ぎず」「男性に従い」「謙虚である」というも理想の女性像とは違う。 今やこれからの未来において「女性らしさとは何か」と言われた時の明確な答えがない、というのが一つの大きな課題になっているのだと思います。 また、最近の女性たちの不安や悩みの一つとして多いのが「パートナーシップ」の問題。 女性が活躍したり、収入が増えていくことによって、プライドが傷ついてしまうパートナーの男性やパートナーシップのバランスが崩れてしまうことも増えているらしく、女性だけでなく男性も「女性らしさ」「男性らしさ」の旧来型の価値観から解放され、新らしい定義を創っていく時代になっているのでは?と思います。 【女性活躍における社会課題②】 キャリアとライフプランの接続やバランスの課題 これからの日本の未来においては、男女問わず、 「子育て」や「介護」、「自身の健康や家族の健康」などの理由によって、仕事を中心に暮らせない人が増えていきます。 女性だけでなくどんな人でも、 キャリアとプライベート(子育て、介護など)が両立可能でバランスの取れる社会になることが今求められています。 一人の「人」にとって、“働く”と”暮らす”は切り離せるものではなく、もしかすると今までがあまりにも「働く」だけを切り離したキャリアの考え方、企業の中でのキャリアマネージメントが行われてきたとも言えるのかもしれません。 例えば、「子育て」と「働く」の両立ということを考えても、国や自治体からの支援制度、法や社会制度、民間においても子育て環境をどう作っていくかなど、まだまだ日本においては改革の途中。このスピードをさらに加速させていくことは、ここ数年の急務課題とも言えるかもしれません。 また、特に子どもを持つ以前の女性たちにとって大切なことは、キャリア×ライフプランを接続した「キャリア教育」の必要性です。 女性のライフスタイルが多様化していると言われていますが、下記心理学で「ライフコースの木」と呼ばれている図を見ても分かる通り、 働くことと結婚や妊娠・出産の分岐点があまりにも多くあり、また本人の意図だけでなく不確定な要素によってキャリアやライフコースが形成されていくのに、そのライフキャリアプランを描いていく教育をほとんど受けていないというのが、大きな課題だと思います。

【女性活躍における社会課題③】 女性のからだと健康に対する無知の課題 上記のライフコースの木にも共通することですが、女性のキャリアやライフコースが時代とともに変化してきたことにより、女性のからだや健康に対しても変化が出てきています。 初産の妊娠・出産年齢の高齢化によって、不妊の悩みや母である女性の身体への影響などが増えてくるだけでなく、子宮内膜症などの女性ならではの病気や疾病の発生リスク、それに伴う経済事情の課題なども出てきます。 女性のからだについてもライフキャリア教育と同様、きちんとした教育や知識を得る場が少なく、女性たち自身が自分のからだについてあまり知らない、健康に関心が高くないというのが一つの課題です。 キャリアやライフプランの変化に伴う、女性のからだと健康に対する、個人や企業の意識の強化もさらに必要になってくると思います。 【女性活躍における未来への展望】 時代が求める「未来型のリーダーシップ」は、女性の方が向いている(女性性を活かせるリーダーシップ) 女性活躍における課題というよりも未来への展望のお話ですが、 私自身も昨年から提唱している、母性のリーダーシップのような価値観は今後も未来型のリーダーシップとして広がりを見せると考えています。 Biz Ladyさんの母性のリーダーシップの連載の中でも書きましたが、 母親が子どもにもつ母性を、“力の性質”として捉え直してみると、

“生み出す”“育む”“受け入れる”の3つの性質の特徴があります。

子を産み、育て、受け入れる。その力を子育てや家庭の中で発揮してきたのが、今までの母性の価値観です。 実はこういった母性的な側面は、男女関係なく誰しもが持っていると考えられるのですが、 この“母性の力”を社会や仕事の中で活かしていくことで、新たなイノベーションが起こせるのではないか、と思っています。 新しい事業や社会活動を“生み出す”、組織や事業を“育てる”、多様な価値観を“受け入れて”イノベーションを起こす……。それはまさに“母性革命”と言える大きなパラダイムシフトになるのではないでしょうか? この新しい未来型のリーダーシップは、母性という言葉以外にも、かなり近い概念として、 支配型・ヒエラルキー型のリーダーシップと対比的に使われる奉仕型の「サーバントリーダーシップ」。 ハフィントンポスト創設者のアリアナ・ハフィントン氏が提唱している、「サード・メトリック(第三の価値観) お金と力の先の成功の再定義」のように、時代の大きな変化の潮流がうごめいているのを感じています。 名前や具体的な概念の違いはありますが、大きくは方向性が似ているこの未来型のリーダーシップは、どれも本来女性が得意とする、女性に向いている価値観です。 新しいグローバルな未来の変化を、女性が創っていける可能性がある。その明るい未来に私たちは大きな期待を抱いています。 課題は未来をより良くするための大きなチャンス。 日本において女性が真の意味で活躍できる社会になるために、まだまだ課題は山積みです。 日々、明るいニュースも逆風のニュースもある。 ですが、課題は未来をより良くするための大きなチャンス。 時代を進め、未来を変えていくことが私たちの仕事であり、この時代を生きる女性たち一人ひとりが受け身にならずに、まずは自分自身の意識や身近な周りの環境を変えていくことで、未来を切り開くパイオニアになれると信じています。

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